鬼太郎出生に伴う大人たちの話。横溝正史を思い出す。
映画の最後から墓場鬼太郎の1話に繋がる。繋がり方が凄く良くて、これで漫画の印象がガラリと変わってしまう。
かつて人間を憎んでいたが妻の人間への愛を傍で見ていたため憎むことをやめた幽霊族の男と、がむしゃらに這いあがろうともがく人間の男が出会って友情を築き、未来に繋げていく話だった。
昭和の描写がすごく丁寧で違和感がない。基本的には未来への希望以外は救いがない話でもあるけど、胸糞悪い部分をきちんと胸糞悪い描写として描いているのでそこまで陰鬱にならないし、戦争の犠牲についても悲劇として描写されていて確固たる戦争に対する批判の姿勢があって良い。
戦闘シーンが綺麗で、特にゲゲ郎対裏鬼道のフィジカル戦がとても良い。怪異と怪異のパワーのぶつかり合いをずっと見ていたい。最後の戦いも水木参戦のけじめつけるシーン良かった。もはや世界をぶっ潰しても構わない水木と、友の未来が見たいゲゲ郎の友情がそこにはあった、とても良かった。
ただキャラクターの死に様がまあまあな感じなので、詳しいレーティングの決め方は知らないけどPG12よりR15なのでは?とは思う。